藍色の砂



カランカランと扉が開く音。



そこから出て来た
男女二人と、お客らしき女性。



『ありがとうございました』と
男女スタッフは女性に頭を下げる。
ボクの瞳に映った後ろ姿。



見間違えるはずがない。
華奢な体つき。
キレイなロングヘアー。



白いロンTに
ベージュのキュロット。
黒のニーハイソックスに
黒いハイカットブーツ。



隣に立つ男性スタッフと
仲良さげに店内に入っていく…。



気付け…!気付け…!



心の中で無意識に念じてた。



扉の手すりに手をかけたと同時に
チラリと向けられた視線。



運命の悪戯か。
それとも与えられた宿命なのか──。










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