藍色の砂
それ以来彼女は作ってない。
女の子は面倒くさい。
優しくしてるのに平気で
“ 物足りない ” と言う。
構ってあげないと
結局最後は泣き落とし…。
ボクが悪いの?
謝ったら許してくれるの?
ボクにだって心はあるよ。
知ってるよ。
求められているのは
ボクの心ではなく、
自分が一番だという確信。
だから最後の最後まで
言うことを聞いたし
“ つまんない ” と言われたら
別れる決意も出来ていた。
女の子なんて懲り懲りだ。
なんて、柄にもなく思うボク。
見た目も決して派手ではない。
チャラチャラしてる兄貴とは違って
ボクは目立たない方。
そんな兄貴が実は嫌いで
密かに兄貴よりいい大学に入って
やろうと計画中。
笑っちゃうような
ちっちゃいボクのプライド。
『おい、昊。聞いてるのか?』
突然兄貴の声がしてハッとする。
『え?なに?』