藍色の砂
『今度の日曜日、改めて家族に紹介
するから昊も居てくれって話だよ。』
『えっ?紹介っ?』
早過ぎないか?
兄貴に限ってそんな焦らなくても…
と言いかけたが飲み込んだ。
『そうだよ。時間あけといてくれよ。』
『日曜日は無理だよ。バスケの試合
あるから。』
練習試合だけど。
『どっちが大事なんだよ。』
試合だよ!
『ちょっと、陽(ヨウ)。弟さんには今日
会えたんだし、無理言っちゃダメよ。
予定があるんだから。』
自己中心的な兄貴を優しく諭す
咲妃さん。
一瞬、面食らってしまった。
今までの兄貴なら、
俺様で引っ張っていくタイプ
だったのに、
今じゃ完全に主導権は
向こうみたいだ。