藍色の砂



『今度の日曜日、改めて家族に紹介
するから昊も居てくれって話だよ。』



『えっ?紹介っ?』



早過ぎないか?
兄貴に限ってそんな焦らなくても…
と言いかけたが飲み込んだ。



『そうだよ。時間あけといてくれよ。』



『日曜日は無理だよ。バスケの試合
あるから。』



練習試合だけど。



『どっちが大事なんだよ。』



試合だよ!



『ちょっと、陽(ヨウ)。弟さんには今日
会えたんだし、無理言っちゃダメよ。
予定があるんだから。』



自己中心的な兄貴を優しく諭す
咲妃さん。
一瞬、面食らってしまった。



今までの兄貴なら、
俺様で引っ張っていくタイプ
だったのに、
今じゃ完全に主導権は
向こうみたいだ。









< 4 / 201 >

この作品をシェア

pagetop