藍色の砂
何て返せばいいのかすぐに
言葉が見つからない。
俯いてた顔を上げて無理やり
微笑んだ。
『おやすみ…。』
必死に何かを訴えるような
村上を残し、背を向けた。
カッコ悪い自分を
これ以上さらけ出したくない。
歩いてく地面だけを
ジッと見つめて、
ボクは家路を急いだ。
村上の言う通り、
間違った道なのか…。
人に言われて改めて
気付く現実。
ひどいなぁ…。
ここまで想いは成り立って
いたのに…。
今は逢うことも、
声を聴くことも出来ない。
兄貴と一緒だから。
そばにいるのは兄貴だから。
身体の中に広がる渦は
砂のように重く、
やがてボクを蝕んでいく。
固く固くボクを縛って
動けなくする。
当分ボクはこの呪縛から
解き放たれたりはしない───。