藍色の砂
5. 契り
受験シーズンがやってきた。
とにかくがむしゃらに
勉強に打ち込んだ。
志望校S大はボクにとっては
少し背伸びした大学。
休み時間も勉強に
明け暮れたし、
昼休みも図書館へ
足を運ぶ。
自然といつも村上と一緒に
居ることが多い。
的確なアドバイスをくれる
から助かる。
周りはようやく
付き合いだしたかと
はやし立てるが
眼中にない。
いつの間にか、
『村上』とボクの方から
声をかけてる。
塾も一緒に行くし
帰りも送ってる。
この間は村上のお母さんに
礼を言われてしまった。
塾が休みの日は自宅で
勉強してる。
考えてもわからないところは
翌日まとめて村上に聞く。
ボクなりに必死だった。
とにかく大学に入って
今の自分から抜け出すんだ。
いつか、笑って話せるいい
思い出話になるように。