藍色の砂
『ねぇ、昊。日曜日は家に来ない?』
突然、村上は言い出した。
『え?』
『いや、毎回送ってもらうのも
悪いしさ。家だったら送る必要
ないし帰りたい時に帰れるじゃ
ん?』
『ご両親に迷惑かけるだろ。』
『大丈夫だよ。お父さんは帰り
遅いし。早めに帰ればいいで
しょ?一緒に勉強した方がはか
どるし?』
確かに、そうしてくれると
ボクも有り難い。
今じゃ村上が家庭教師みたいな
もんだから。
週に4回の塾と休み時間の勉強、
街の図書館や自宅での勉強でも
正直足りないくらい。
そこで村上の家での勉強が
加わるのは嬉しい。
『昊には絶対受かってほしいから』
と笑顔で言う。
『…後悔してないのか?』
『何が?』