藍色の砂
『S大だよ。村上ならT大くらい
いけただろ?』
ボクがそう言うと、
参考書でポカッと殴られた。
『T大は無理!私ね、S大に行って
医療の道に進みたいんだよね。医療
関係充実してるし。』
開いた口が塞がらなかった。
ちゃんと目標持って受験
してくれるんだ…。
きちんと頭を下げた。
『村上、ありがとう。』
その優しさにゆらりと甘えて
しまったのかもしれない。
ボクと村上の受験戦争は
この後も続く。