藍色の砂
終わりにしようと思う。
このまま月日が経って、
もう少し気持ちに整理が
ついたら、やっと
受け入れられるのかも
しれない。
兄貴が結婚して、
咲妃さんがボクの義姉に
なること。
波風たたないうちに
忘れた方がいい気がした。
兄貴に対するプライドごっこも
受験に勝てば終わり。
『ちょっと休憩しよ。』
村上の一言に我に返る。
時計を見ると午後9時。
いつも10時くらいまで
休みなしでやってる。
『そうだな。ちょっと疲れた。』
『飲み物入れてくるね。』
そう言って空になったグラスを
手にした時に
『あ、ボクはいいよ』ととっさに
グラスを持った。
手と手が重なって二人の
動きは止まる。