藍色の砂
同じ高校に通っていた兄貴を
知るヤツらもいる。
同じ歳の離れた兄姉を持つヤツか、
当時からかなりのモテぶりで
噂を知ってるヤツらだ。
兄貴とボクは歳が5つ離れてる。
今年、三流大学を卒業したばかりだ。
しかもあんなカワイイ彼女連れて
来やがって。
この前デートしてた彼女は
どうしたんだよ。
ああいうの見たら
無性に腹が立ってくる。
毎回違う彼女の前でよくヘラヘラ
してられるなって思う。
ボクには理解出来ないよ。
理解したくもないけどさ……。
『…昊っ!』
近くでボクを呼ぶ声がして、
振り向くと同時にボールは顔面に
直撃した。
ピーッ!とホイッスルが鳴り、
メンバーが駆けつけてくる。
いっっってぇ……!!
『悪い!取りにくい球だったよな。』
パスしてきた同級生が言う。