藍色の砂
6. 罪と罰
結局、咲妃さんが泣いた理由を
知ることは出来なかった。
家に戻ってからも、
学校でも、
ずっと頭から離れないんだ。
“ 逢いたい ” って思ってしまう。
でもその後すぐに
困惑した咲妃さんの顔が浮かぶ。
『コラ!ペン進んでない!』
前に座る村上に言われる。
『あ、ごめん。』
昼休みの図書館。
相変わらず村上は普通に
接してくれてる。
あの日のことは何も
聞いてこない。
約束した問題を解いてきたら
笑顔で『やるじゃん』って
言ってくれたっけ。
申し訳ない気持ちでいっぱい
だったのに、拍子抜けした。