藍色の砂
『だよな。
じゃあフラれた経験は?』
『…何が知りたいわけ?
そりゃあるけどさ。』
思い出したくもない。
何でこんなこと聞くんだ?
もしかして
遠回しに聞いてる?
『言っとくけど俺はないね。
告白して断られたこともないし。』
『アホくさ。自慢かよ。』
ボクは呆れて
解きかけていた問題に
目を向けた。
『でも俺…もうじきフラれるかも
しんねぇ。』
再び手は止まる。
ゆっくりと兄貴を見た。
寂しそうに俯く姿。
胸騒ぎがする。
バレて…ないのか?
『フラれるってこの前の人に…?』
白々しく聞いてみた。