藍色の砂
『何かあった?』
座るボクを覗き込むように
上目遣いで見つめるのは女子の
必殺技なのだろうか。
他の男連中なら秒殺かもしれない。
でもボクは違う。
『ありがとう。何でもないよ。村上は
戻った方がいい。試合近いから。』
しゃがんだまま立ち上がらない
村上と見つめ合う。
こんなこと言ったって、
言うこと聞いてくれないんだろな…。
『村上…?』
『昊……私じゃダメなの…?』
ダメ……ではない。
ただ、特別な感情が見いだせないんだ。
それじゃ断る理由にはならないのか?
ハッキリ言えないけど…。
と、曖昧にして受け答え出来ないボク。
『私だって、毎回フラれてヘコんで
るんだよ?それでも諦めきれない
気持ちはどうしたらいいの…?』
大きな瞳が次第に揺らいでく。