タイトル未定
いつもの生活
ずっとこの関係が続くと思ってた。
2人で笑って、はしゃいで、時々泣いたりして。
だけど運命は残酷だ。
何年もの間築いてきたこの関係がたった1日で脆く、崩れる。
僕は今、どうすればいいのか分からない。
「竜也ー!帰ろ!」
いつもの時間、いつもの場所、いつもの笑顔。
「うん!」
そして僕たちはいつものように手を繋ぎいつもの道を歩く。
「ねぇ、この近くで美味しい喫茶店見つけたんだ。寄ってかない?」
「うん。でも…いいの?お母さん、一人じゃない?」
「いいのいいの。今日は、大丈夫!」
僕の彼女、倉橋彩は母子家庭だ。
6年前、彩がまだ小4の時に父親が不倫した。
もう忘れたよ、と言っているもののきっとまだ辛いはず。
彩は昔、父親が大好きだったんだ。
でも彩は弱いところを他人に見せない、そんな人だ。
「今日から叔父さんが来てくれるってこの前言ったでしょ?」
「あー、そうだったね」
今、彼女の母親は病気で寝込んでいる。
軽い病気だから、と言いながらも彩は心配でたまらなかったみたいだ。
今日からは彩の母親以外の唯一の身内、叔父が来てくれているらしい。