未遂探偵Ｊ

稲本は口唇をかみしめながら…

「…約束の日時に私は決められた場所へと向かった。…すると…そこにはヤクザが数人、私の到着を待ちわびていた。私は状況をいまいち飲み込めないでいた…すると奴等は私に近付き…」

(「…お疲れ様、運び屋君…」)

「…そう言いながら私の持っていたトランクを取り上げ中身を確認しだしたんです。はっきり言って自分が闇金の運び屋だなんて思っていなかった…林は私の正義漢なところが気に入らなかったらしく私がそのまま成長して今まで築き上げてきた政界の裏側を漏らされるのを恐れてたんです。」

「…なるほど…オレを消したい理由と一致する。あなたを狙っているのは林信昭と断定して間違いないだろう…」

「…そうなんですか？」

「…あぁ…で、続きを聞かせてくれませんか？？」

「あっ…はい…」