未遂探偵Ｊ

「…ハ…ハハハ…確かに…そうですね…たった一言、謝って欲しかっただけかもしれません。…それにしても…針金ひとつで開け閉め可能なコテージの鍵と掛けるとは…ユーモアな人だ…」

「…木村君…」

冴子はそっと木村に近付き手を差し延べた。

「…？？」

木村が首をかしげると笑いながら…

「ほら！仲直りの握手でしょ？」

そう言いながら博美と未樹と由里の前まで引っ張った。

「ちょっ、やめてよっ。こんなの照れるよ…」

「なぁに言ってんの？言い方悪いけど、この３人が素直に謝ってるんだから今のうちに仲直りしとかないとね！」

冴子のおせっかいなカンジに永山は含み笑いをした。木村はそれを見て照れながら自ら手を３人の前に出し…

「…僕の方こそ、ごめん…この罪は報いるから。明日、下山したらちゃんと出頭するつもりだから…」

木村は罪の重さを感じていた。…しかし…