遊び人な彼に恋しました。


――ガラッ


「あっ、さくらちゃん……」


教室に戻ったとたん、クラスの女の子たちが集まってきた


「あの……大丈夫?」


あっ、泣いたの見られてたのかな……?


少し周りを見渡すと、チラチラとあたしを見るクラスメイトが……



「うん、大丈夫だよ。ちょっとお腹痛くてさ―…」


アハハッと笑いながら言ってみる


「あっ、そうなんだっ。もうお腹は大丈夫なの?」


「うんっ。もう平気♪」


「よかったね―っ」


何とかバレなかった……



ホッと胸を撫で下ろした


「あっ、そろそろ次の授業始まるよっ!!」


ぞろぞろ席につくクラスメイトを見て、あたしも席に向かった



「っ……」


当たり前だけど、あたしの隣は春


「は、春……?」


まずは何も無かったように話しかけようと試みる


「………」


何も言わない春



< 101 / 339 >

この作品をシェア

pagetop