遊び人な彼に恋しました。
――ガラッ
「あっ、さくらちゃん……」
教室に戻ったとたん、クラスの女の子たちが集まってきた
「あの……大丈夫?」
あっ、泣いたの見られてたのかな……?
少し周りを見渡すと、チラチラとあたしを見るクラスメイトが……
「うん、大丈夫だよ。ちょっとお腹痛くてさ―…」
アハハッと笑いながら言ってみる
「あっ、そうなんだっ。もうお腹は大丈夫なの?」
「うんっ。もう平気♪」
「よかったね―っ」
何とかバレなかった……
ホッと胸を撫で下ろした
「あっ、そろそろ次の授業始まるよっ!!」
ぞろぞろ席につくクラスメイトを見て、あたしも席に向かった
「っ……」
当たり前だけど、あたしの隣は春
「は、春……?」
まずは何も無かったように話しかけようと試みる
「………」
何も言わない春