遊び人な彼に恋しました。


どのくらい、そこに居たんだろう……


ほんの数分なのか、数時間なのか……わからないくらい座っていた


――ガラッ


「さくらっ!やっと見つけたっ!!」


勢いよく開いたドア



「……瑞希」


「えっ!?どうしたの!!座り込んで」



「あっ、何でもない……。それより、瑞希はどうしたの?そんなに急いで」


そう言って気持ちを隠すように、笑ってみせた




「落ち着いて聞いてね……」


「うん?」



「春、彼女ができたって……」


「えっ……」



春に…彼女……?



「でも、ほらっ!春は遊び人だしさっ!そんな気にすること…「誰?」



「えっ?」


「春の彼女は……誰?」



「バスケ部の、マネージャーだって……」



「っ、そっか……」


「でもさ、気にすること…「違うんだよ、瑞希」


「え?」


違うんだよ。



きっと今回は春は遊びじゃない。






「本気で、音色ちゃんが好きなんだよ……」



あたしじゃなく、音色ちゃんを選んだんだ……



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