遊び人な彼に恋しました。
――――――――――……
「春―っ、この後部活行くのか?」
放課後になり、走り寄ってきた拓海
「行かない。もう大会終わったし。」
「終わったってお前な―…」
あの最悪な試合をしてから、部活をヤル気がしなくなった。
イヤ、今までも真面目に言ったなかったけど……
好きだと思っていたバスケを今、心から好きだと思えない……
「春さ、なんか生気がなくなったよな。」
「は……?」
「なんか、生きる気力を感じない。」
生きる気力……?
「なぁ、マジでさくらちゃんいいわけ?」
「……」
なんでここでさくらが出てくるんだよ。
あいつと俺の“生きる気力”っていうのは関係があるのか……?
……イヤ、あるんだろうな。
「って、俺がどうこう言っても意味ないか。後は2人で話し合え」
「は?」
そう言って肩を叩き、どこかを指差した。
もうほとんどの生徒がいなくなった教室。
そんな中、少し前の窓の前に立っている小さな背中が見えた
「さくらちゃんも、春を待ってるんじゃねぇ?」
「っ……」
それだけ言って、拓海は教室を出ていった