遊び人な彼に恋しました。


――――――――………



「はぁ―…」



「元気ねぇな。」



「あっ、別に……」



放課後の生徒会室で言われた、楢橋くんからの冷たい一言



この前の資料室でのことは全く無かったかのような、普通の会話



「体調悪いなら帰れば?」



「大丈夫だって。体調なんか悪くないし。」



「じゃあため息なんか付くな。生徒会室の雰囲気が悪くなる」



――ムッ


「それはすみませんでした―っ。」



ため息くらいで何よ。



楢橋くんなんて全然笑わないから、最初からここの空気はどんよりだって―のっ!!



「はぁ―…もう今日は帰るか」



「は!?なんで!?」



まだこんなに仕事残ってんのにっ!


「いいから今日は帰るぞ」



「ちょっと!この仕事の束はどうするのよっ!!」



明日は休日だから、今日仕上げないと間に合わないでしょ!?



「あぁ、それなら明日俺が学校に来てするからいい」



「は!?」



わざわざ学校に来るくらいなら、今の内にしちゃえばいいのに。



「とにかく今日は帰る。そんなどんよりした矢吹といるのは、俺がイヤだ。」


っ……



つまり、あたしと一緒に居るのがイヤってわけね!?



「じゃあ、あたしだけ帰るわよっ!」



それだったらいいんでしょ!?



「ダメだ。家まで送る」



「っ!結構ですっ!!」



ピシャリとそう言い放ち、生徒会室を出た



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