遊び人な彼に恋しました。


何よ!


何よ!!


何よっ!!



凄い剣幕で声をあげたせいか、頭が少しクラクラする



もう、いいっ!


帰ってやるっ!!



イライラしたまま、靴箱に向かった



「春先輩……」



……え



「ん?なに、平田……」



なんで、ここに居るのよ……



今、一番会いたくない人が靴箱に寄りかかるようにして立っている



つい反射的に、靴箱の裏に隠れた



「あの……キス、してくれませんか?」



っ……



キス……するの?



ドキドキ脈立つ胸に手を当てる。



見たくないのに、気になる。


見てしまうのはイヤなのに……



そっと2人を覗いた……



そして、すぐに後悔の念に襲われる。



「っ……」



優しく音色ちゃんを引き寄せ、唇を重ねる2人



あぁ―…ダメだ。



涙のせいか、2人が滲んでしまう。



クラクラする……



見たくないよ……



見たくない……



――あたし、一体何がしたいんだろう






フラッと体が前のめりになった……瞬間



――ギュッ



温かい体温に包まれた



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