遊び人な彼に恋しました。
春の横を通りすぎ、自分の靴を取り、履いた
「さくら……」
――ドキッ
いつの間にか、音色ちゃんの手を離した春が、あたしの名前をあの優しい声で呼んだ
「顔色、悪くないか?」
そう言って伸びてくる手に、体を小さくさせた
「風邪でも…「触んないでくれる」
……え
「さくらはちゃんと家まで俺が送って行くから、安心してよ。」
「あんた、誰」
春の手を塞ぐように、あたしの前に立った楢橋くん
「誰って、楢橋大和だけど?」
な、なんなの?このムード……。
ピリピリしたような空間に、何も言えない
「ってか、さくらに触らないで。」
「は?なんでお前にそんなこと…「少なからず、俺はお前より、さくらのこと知ってるよ」
「は……?」
な、楢橋くんっ!一体何を!?
「とにかくさくら、帰ろ。風邪が酷くなる。」
そう言われるがまま、腕を引かれて学校を後にした。
春の何とも言えない、視線を感じながら……