遊び人な彼に恋しました。


「あたし1人で大丈夫だからっ!」



「はあ?ダメに決まってんだろ。」



「大丈夫だって!」



「大丈夫じゃない。」



「大丈夫ったら、大丈……ぶ」



大声を出したせいで、クラッと足元が歪んだ



「ほら、言わんこっちゃない。大人しく鍵出して。」


「でも……」



「さくら、お願いだから。お前のこと、心配なんだよ……」



「っ……」


卑怯だ……


そんな……


そんな瞳で見られたら……



「はい……」



鍵渡さないわけにいかないでしょ……



「でも楢橋くん、夜には帰って大丈夫だから。あたし寝るし。」



「ん―…、その時考える」



つまり、帰るか帰らないか今はまだ決めないってことね……



はぁ―…と深くため息を吐き、楢橋くんが開けた家にあたしも入った



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