遊び人な彼に恋しました。
「あんた、誰」
俺の手を遮るように、割って入ってきた男に、さらにイラッとする
「誰って、楢橋大和だけど?」
こいつか………
生徒会長っていうのは……
噂では聞いていたけど、顔は初めて見た
「ってか、さくらに触らないで。」
「は?なんでお前にそんなこと…「少なからず、俺はお前より、さくらのこと知ってるよ」
「は……?」
勝ち誇ったような表情が完全に俺をバカにしている
「とにかくさくら、帰ろ。風邪が酷くなる。」
そう言って、さくらの手を握り俺たちの前を去っていった
さくらと楢橋の手が繋がれてるのを見て、ジリジリと胸が焼けるように痛い
「……春、先輩」
「あっ……ごめん。平田」
完全にさくらを気にしていて、平田をほったらかしにしてしまった……
――ギュー
「……平田?」
俺の腕に、強く抱きついてきた平田
「春先輩は……」
「ん?」
「……いえ。何でもないです。帰りましょう」
そう言って無理して笑う平田に、俺は気づかないフリをして笑った
平田がどれだけ傷ついたのかも知らずに……