遊び人な彼に恋しました。


「さくら、あたし席に戻るね」


「あっ、うん……」



瑞希が席に戻る背中を見ながら、少しため息を吐いた……



「さくら……」



――ドキッ



久しぶりに聞く、あたしを呼ぶ春の優しい声。



「……」


何て返事をしたらいいかわからなくて、ただ黙ってうつむいた



「ごめんな……」


……え



まさかの言葉に息を飲んだ。


何のごめん……?



同情のごめん……?



それとも……あたしの気持ちに応えられなくてのごめん……?



……どちらにしろ、あたしには残酷な言葉だった。




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