遊び人な彼に恋しました。


楢橋大和……



いつもトップの成績を取っているうちの学校の生徒会長……


そんな人があたしを怪訝そうに見ていた……



「ねぇ、あんた聞いてんの?」



「は、はいっ!」



「ここ図書室なわけ。だから静かにしたら?」



う、噂には聞いていたけど、怖い……



クールで人に冷たいとの噂の楢橋くん。


まさかここまで冷たいとは……



「まぁ、いいや。」



あたしのことなんて全く興味も無いようにそう言って、図書室の中に入ってきた。



ガラガラと閉められたドアが、異様に図書室に響いた気がした……



楢橋くんはあたしの居る、図書委員のテーブルから一番遠い机にノートを広げた。



そして椅子に座ることはせず、すぐに本棚へ行き、何かを探し始めた。




――シーン


お互い話すこともなく、ただ無言。



この空気がいたたまれないのは、あたしだけだろうか……?



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