遊び人な彼に恋しました。
それからはただ楢橋くんを避けた。
避けてみれば、こんな関係簡単に切れる。
中学生で携帯も持ってなかったから、電話なんて来なかった……
楢橋くんはクールだし、あたしを探しに教室に来ることもなかった。
でも、それがあたしへの愛情の軽さに思えた。
あたしは遊びで、追う価値もない人間。
そう思われてると思うと、胸が苦しくて涙が止まらなかった。
それは卒業するまでずっと……
そして、あたしたちは一言も話すことなく、中学を卒業した……
たった一度、卒業式で目を合わした以外は……
………―――――――――
「さくらは、逃げてばかりだ。」