遊び人な彼に恋しました。
「で、でも……」
「だから、黙って……」
「あ、あの、でもさ……」
「さくら、黙って……」
「は、春?でも……」
「あぁ―っ!もう!」
仕方なく、腕の力を弱めて、さくらから少し体を離した。
「なんで素直に黙っていてくれないわけ!?」
黙って俺に抱きしめられといてよ。
「い、イヤ。だって、抱きしめるとかおかしいじゃんっ!?」
おかしい……?
「何がおかしいの……?」
「っ!何がって!あたし、春が好きだって言ったよね!?」
「っ///」
「あたし言ったじゃん。春が好きって!なのに春はあたしの気持ちなんか無視して、こうやって期待させて……」
怒ったように声を張り上げるのに、さくらの瞳はユラユラと涙で揺らいでいた
「どうすればいいのよ……」
「さくら……」
ヤバい……
「どうすればいいの……。これ以上、春を好きにさせないでよ……」
「っ///」
ヤバいだろ……
「あたし、諦めきれなくなるじゃん……」
ヤバいって……マジで……
――可愛すぎだろ、こいつ……