遊び人な彼に恋しました。
「さ、さくら!マジでいいのか!?」
また背を向けて歩き出したさくらに向かって叫んだ
「っ///知らない!バカ!!」
ば、バカって……
「ゆ、優勝したらだからね!!」
「っ―…///」
体育祭、絶対優勝してやるっ!!
――――――――――……
「春、次借り物競争だぞ。お前出場するんだろ?」
「拓海。おおっ!行くぞ!!」
「あ、あぁ―…」
さくらのキスで俄然ヤル気が出た俺。
青色のハチマキを頭に巻き付け、スタートラインに立つ。
「お、おい。春、お前どうしたんだよ」
「は?」
「突然そんなヤル気出してさ。いつものお前ならあり得ないだろ?」
「あぁ―…まぁな。でも今回は話が別だ。」
「は?別?」
そう特別なんだ……
「あぁ、今回は優勝景品があるからってことか」
そう言いながら、拓海は一人で納得していた。
残念ながら、ノートとシャーペンなんかじゃねぇよ。
それとは比べものにならないくらい、最高の景品なんだよ。