遊び人な彼に恋しました。


「何、さくらちゃん怒らしたわけ?」


「拓海……」


同じく借り物競争に出ていた拓海が、ハチマキをほどきながら帰ってきた



「お前、もう終わったのか。」


「失礼だな―。俺のぶっちぎりの1位ゴールを見てなかったのかよ」



それどころじゃなかったし……


「春はお題何だったわけ?さくらちゃん連れていったけど。」


「……教えねぇ」


「は?」


こいつのことだ。


絶対笑うに決まってる。


「ってか、そういうお前は何だったわけ?」


「は?俺?俺は『今、食べたいモノ』だったけど?」


「っ!」


同じお題かよっ!


つーか同じお題に当たるって……



「た、拓海は何を持っていったわけ?」


「普通に自分の弁当。簡単だったから助かったぜ」



「だよな……。普通、そうするよな……」



なんで俺、さくらを連れていってしまったんだろう……


「普通って……あっ、もしかしてお前も同じお題だったわけ?」


「っ……」



「は?でもさくらちゃん……。あぁ―…そういうことね。」


分かったようにニヤニヤする拓海。



< 196 / 339 >

この作品をシェア

pagetop