遊び人な彼に恋しました。
「何、さくらちゃん怒らしたわけ?」
「拓海……」
同じく借り物競争に出ていた拓海が、ハチマキをほどきながら帰ってきた
「お前、もう終わったのか。」
「失礼だな―。俺のぶっちぎりの1位ゴールを見てなかったのかよ」
それどころじゃなかったし……
「春はお題何だったわけ?さくらちゃん連れていったけど。」
「……教えねぇ」
「は?」
こいつのことだ。
絶対笑うに決まってる。
「ってか、そういうお前は何だったわけ?」
「は?俺?俺は『今、食べたいモノ』だったけど?」
「っ!」
同じお題かよっ!
つーか同じお題に当たるって……
「た、拓海は何を持っていったわけ?」
「普通に自分の弁当。簡単だったから助かったぜ」
「だよな……。普通、そうするよな……」
なんで俺、さくらを連れていってしまったんだろう……
「普通って……あっ、もしかしてお前も同じお題だったわけ?」
「っ……」
「は?でもさくらちゃん……。あぁ―…そういうことね。」
分かったようにニヤニヤする拓海。