遊び人な彼に恋しました。


あたしが相良春に初めて会ったのは入学式の朝


――――――――………


「やっば―っ!完全に遅刻―っ!!」


息も切れ切れに桜並木を走った



もぉ―っ!入学式だから早く起こしてって言ったのにっ!!


お母さんに対する文句を胸の中で呟きながら走る


上を見上げれば綺麗な桜があると分かっていても、そんなこと気にしていられなかった


ただ必死に……


入学式のためだけに……



走り続けた―……が。


中学まで文化部だったあたしに、そんな体力は無く―…



無理っ!これ以上は無理っ!!


そう思い止まろうとした瞬間


「ぶっ…!!」


口元に感じた違和感



「ぺっ!ぺっ!」


何か口の中に入った〜〜



虫とかだったらイヤだと思い、必死に吐き出した


えっ……桜の花びら?



「なんだ―。花びらか……」


ホッと息を吐いた


「……って!遅刻―っ!!」

桜の花びらに気をとられて、完全に足を止めていた



「ぷっ……」


「……え?」



声が聞こえて、ふと後ろを振り向く


……だ、誰?



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