遊び人な彼に恋しました。
うそ……
うそ……
うそっ……
ごしごしと唇を拭くけど、さっきの感触が拭いきれない。
まるで、無かったことにさせないかのように……
――ガラッ
――ビクッ
突然開いたドアに体が跳ねた
「さくら……」
「春……」
いつもなら一番会いたい人なのに、今は一番会いたくなかった……
それはきっと、あたしに後ろめたさがあるから……。
「足、大丈夫か……?」
「あっ、うん、大丈夫」
足のことなんて正直、今思い出した。
「あいつがやってくれたのか?」
ベッドに座ったままのあたしに近づいてきて、ひざまづくようにそっと足に触れた春。
「う、うん///」
いつもと違う角度に、違和感と胸の鼓動が速くなる。