遊び人な彼に恋しました。


「じゃあ、俺リレーに行ってくるな」


「うん……」


『頑張って』と言えなかった……


だって……


優勝してほしくない……って少なからず思ってしまったんだもん……



「では、位置についてよーい」


――バンッ



一斉にスタートした選手たち。


春はアンカー。


アンカーまでは7人がバトンを繋げる。


「さくらっ!うちらの組今3位だよっ!」


瑞希の嬉しそうな声。


3位……


このままだったら大丈……


……っ


あたし……今、何を考えた……?



『大丈夫』って……


『優勝はない』って、安心してた?



「っ……」


「あっ!さくらっ!春だよっ!!」



いつの間にかバトンは春に渡されていた



< 210 / 339 >

この作品をシェア

pagetop