遊び人な彼に恋しました。
「じゃあ、俺リレーに行ってくるな」
「うん……」
『頑張って』と言えなかった……
だって……
優勝してほしくない……って少なからず思ってしまったんだもん……
「では、位置についてよーい」
――バンッ
一斉にスタートした選手たち。
春はアンカー。
アンカーまでは7人がバトンを繋げる。
「さくらっ!うちらの組今3位だよっ!」
瑞希の嬉しそうな声。
3位……
このままだったら大丈……
……っ
あたし……今、何を考えた……?
『大丈夫』って……
『優勝はない』って、安心してた?
「っ……」
「あっ!さくらっ!春だよっ!!」
いつの間にかバトンは春に渡されていた