遊び人な彼に恋しました。


「ん―…素直だという記憶ないけどな―…」


「っ―…春〜〜」


「ははっ」


「もう二度と言ってやんない」


素直に『カッコいい』と言ったら言ったで、この言われよう。



もう絶対言ってやらない!


「悪い悪い。そんな怒るなって」


ポンポンと頭を撫でながら、クシャとしたような笑顔であたしを覗き込んでくる。



「機嫌直せよ」


「別に悪くなん……か」


スッと近づいてきた顔



キ……ス


「ダメっ!!」


ドンッと反射的に春の体を押した



「は?」


「あっ……」


つい押し退けてしまった手を、とっさに引いた



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