遊び人な彼に恋しました。


さくらは資料をソファーに座って見ていて、楢橋はその資料を覗き込むようにさくらのそばに立っていた。

近くないか……?



その2人の距離感に少しイラッとした。



……と、ここで怒っちゃダメだ。


「さくらに用事があるんじゃないか?」


『さくら』


その呼び方にまたイラッとくる。



「あっ……うん」


……ん?


楢橋とさくらの雰囲気に、何か違和感を感じた。



よそよそしいような、そんな不思議な感じ……


何か……



「ここで話せば?俺、もう帰るから」


楢橋がそう言いながら、カバンを持ち、生徒会室を出ていった。



俺の横を通りすぎる瞬間……はっきりと睨まれた。



冷たく、鋭い瞳で……



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