遊び人な彼に恋しました。


「心の準備ならそのうち出来るって」


「な、なんて適当な……」


ワナワナと瞳を揺らすさくら


「俺が適当なのは知ってるだろ?」


「っ―…!春っ!!」


――ギュッ


「さくら……。ゆっくりでいい。」


「は、春……?」


「ゆっくりでいいから、俺たちのペースで進んでいこう」


ギュッと抱きしめると、ふわりと甘い香りがする。


この香りが好きだ。



香水とかじゃなく、さくらからする甘い香り。


「ん……」



――ドクッ


俺の肩にコツンと頭を乗せて、甘えるような動作。


おっ!


これは……


「さくら……」


「ん?」


――チュッ


「っ///ゆっくりでいいんじゃなかったの!?」


バッと離れるさくら。



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