遊び人な彼に恋しました。
「や、やだっ!離して!!」
「イヤだ。離されない!」
抱きしめられたまま、あたしを離そうとしない春。
「な、んでよ……」
泣きたくのをただ必死に抑える。
「ごめん。からかって……」
「ヤダ、許さない」
初デート。
大好きな春との初デートだったのに。
「違うんだよ……」
ボソッと耳元で聞こえる声。
「違う……?」
何が違うっていうの?
「その……緊張してて……」
「えっ!?」
バッと顔を春に向けた。
「なっ///見るな!!」
すぐに顔は隠されたけど、耳まで赤くなっていることがバレバレだった。
「あぁ―…もう、こんな予定じゃなかったのに……」
「えっ……」
「緊張を隠すためにからかうって、俺はガキかよ……」
頭を抱えて肩を落とす春。
なんだ……
な―んだ。
緊張してたのは、あたしだけじゃなかったんだ。
始まったばかりの初デート。
楽しくなる予感でいっぱいな気がしてた……