遊び人な彼に恋しました。
「なんでまた中学なんて……」
「いいじゃん、行ってみたいの!!」
行ってみたいのって……
「でも、今日は学校休みだから校舎とか開いてないかもよ?」
「うん、それでもいい。行ってみたいだけだから」
ん―…なんでさくらのがここまで中学に拘るかは分からないけど……
「じゃあ、行ってみるか」
「うんっ」
たったこれだけのことで嬉そうにするさくら。
それから2人でカラオケを出た。
「で?中学行ってなにしたいの?」
中学に向かう電車の中でそう聞いたけど、さくらの回答はやっぱり……
「秘密だよ」
だった……
―――――――――……
「へぇ―…ここが春の通ってた中学か―…」
俺の母校を眺めながら、さくらが頬を緩ませた。