遊び人な彼に恋しました。
「ばっ、バカっ!!もう知らないっ!!」
プイッと顔を背けて、どんどん歩きだしてしまったさくら。
そんな背中が凄くいとおしく感じる。
「ふっ……」
さくらを追いかけて、そのまま抱きしめる。
もう家付近だろうと、歩道だろうと関係ない。
ただギュッと抱きしめた。
「なっ!!は…「また行こうな」
「……え?」
「デート」
「う、うん///」
あぁ―…可愛い―……
さくらを手放さなくてよかった……
さくらが俺を好きになってくれてよかった……
さくらが……俺をずっと好きでいてくれてよかった。
そっと抱きしめたまま顔を近づけると、さくらも感づいたのかゆっくりと瞳を閉じた。
そして唇を重ねようとした瞬間―……
「あらっ!さくらちゃん」
「「へ……」」
突然の妨害により阻止されたキス。
きっと今の俺たちは、世界中で一番まぬけだろう……
キスをしようとしたその距離感のまま、呼ばれた方向を2人で見つめているのだから……