遊び人な彼に恋しました。
「さあさあ、彼氏さんも家に上がってもらって……って!春くんじゃない!?」
気づくの遅っ!!
まぁ、小百合さんらしいか……
「お久し振りです」
ペコッと頭を下げると、大きな瞳をさらに大きくして嬉しそうに笑う小百合さん。
「もぉっ!!さくらちゃん!なんで教えてくれなかったの!?」
「あっ……つい」
確かにわざわざ報告ってのも、なんか気が引けるしな……
「お久し振りだね。春くん」
「……お久し振りです」
「やだな~。そんな顔で見ないでくれよ。誤解はちゃんと解けてるんだろ?」
和樹さんの余裕な笑み。
「えぇ―っ!!なんで和樹が春くんを知ってるの!?」
「まぁ、いろいろあってね」
えぇ、いろいろとありましたさ。
きっとこの人はわざと誤解させるようにあの時、さくらと俺の間に割って入ってきたんだ。
理由は……
「でもよかった。自分の気持ちにちゃんと気づいたみたいで」
俺の気持ちを感づいていたからなんだろう……
「もぉっ―!みんなしてあたしを仲間外れにしないでよ―っ!!」
「はいはい。小百合、とにかく家に上がるぞ。義母さんが待ってんだろ」
和樹さんが小百合さんを宥めるようにして、頭を撫でた。