遊び人な彼に恋しました。


「うぅ~。じゃあ詳しいことはまた中で聞く!!だから春くんも上がっていって!!」


「えっ?いいんですか!?」


送って帰るつもりが、家にまでお邪魔するなんて……


「いいもなにも、うちの親にちゃんと挨拶しなよ!」


「「へ……?」」


挨拶……?

さくらと2人で顔を見合わせた。


「えっ!?なに?もしかして親と挨拶もしないでうちのさくらちゃんと付き合う気なの!?」


「へ!?い、いや!もちろん挨拶はしようと……」


「じゃあいいじゃん。ほら、上がっていきなよ」


い、いや!!

挨拶はしようと思ってた!!


思ってたけど!!


今日、挨拶するとは言ってねぇ―だろ――っ!!


俺が止めるのも聞かず、家の中に入っていってしまった小百合さん。


「ご、ごめん春……。うちのお姉ちゃんが……」


「い、いや……。いつかは来ようと思ってたし……」


そう思っていても、緊張からなのか手汗と鼓動の速さが半端ない。


「じゃあ、上がって……?」


さくらが申し訳なさそうに玄関から上がった。


「あ、あぁ―…」


大丈夫だ。

大丈夫……


さくらのご両親には何回か会ってるし、今まで悪い印象を与えたこともないはずだ。


だから……




大丈夫であってくれ――っ!!






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