遊び人な彼に恋しました。
「じゃあ、今日はダブルでお祝いね♪」
お母さんが手を叩きながら、嬉しそうに立ち上がった。
「ダブル……?」
小百合姉の妊娠でお祝いは分かるけど……
「あら~、お姉ちゃんの妊娠お祝いと、さくらと春くんのお付き合い祝いよ♪」
「っ!!そんなことしなくていい!!」
「あっ、春くんもぜひ晩御飯食べていってね~」
「あっ、ありがとうございます」
あたしのことはシカトですか……?
「じゃあそれまでさくらの部屋にでも居なさい」
「は?なんで?」
ここに居ればいいじゃん。
「バカね~。春くんも今から夕食が出来るまでこの空間に居るのはキツイでしょ?」
「へ?」
「とにかく行きなさい。ほら、春くんも」
あたしたちを無理やりリビングから追い出したお母さん。
「じゃ、じゃあ、部屋行く?」
「あぁ―…」
あたしの部屋に向かい、ドアを開けて2人で中に入る。
「相変わらず本がいっぱいあるな~」
本棚を見上げて、そう呟いた春。