遊び人な彼に恋しました。


「あ、うん?なに?」


――ホッ


マネージャーから視線を外して、あたしを見る春



とにかくマネージャーを春の視界に入れたくない。


ほんの些細な春の行動が、あたしにとっては一大事なんだ……



「ほ、ほら、練習始まるんじゃない?」


「あぁ、そうだな。」



練習に集中してほしい。


コート意外の人が目に入らないくらいに……



「つ―かもうすぐで練習終わるから、待ってろよ。」


「え?なんで?」



「なんでってお前な―…。一緒に帰ろうって言ってんの」


――ドキッ


「分かった?」


「う、うん。待っとくね」



そう言うと、ニカッと笑ってバスケ部の輪の中に戻っていった


「きゃ―っ!!」


えっ?



春の後ろ姿に見とれていると、悲鳴に近い声が聞こえた


体育館の入り口から、外を覗くと水道のところでしゃがんでいる女の子


あっ、バケツの水、溢しちゃったんだ……



「大丈夫……?」


「……え?」



そっと近寄り、倒れたバケツを立て直した



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