遊び人な彼に恋しました。
さくらのお母さんに頭を下げて、玄関を出た。
ちなみにさくらのお父さんは、もうリビングで夢の中に入ってしまっていた。
最初から酔っぱらってたからな……
「さくら、もう中に入りな」
わざわざ一緒に玄関を出て、見送ってくれようとするさくら。
「で、でも……」
「いいから。見送らなくても大丈夫」
「うん……」
納得いかない感じに唇を尖らして、しぶしぶ頷いた。
「晩飯旨かったよ。じゃあまた明日な。」
ポンポンと頭を撫でると、少し恥ずかしそうにうつ向いて「バイバイ」と呟き中に入ったさくら。
そんなさくらの後ろ姿を見送り、歩きだした。
それにしても、さくらの家族はみんな温かい人だった。
そんな中に育ったから、さくらもあんな温かく育ったんだな……
いつか俺も、そんな幸せな家庭を作れるのだろうか?
その家族の一人はもちろん……
「っ///」
自分で考えときながら恥ずかしい……
「俺って、バカ……」
「誰がバカなの?」
………え?