遊び人な彼に恋しました。


「か、和樹さん!!」


後ろを振り向くと、財布を片手に不思議そうに俺を見る和樹さんが立っていた。


「な、なんで!?」


「ちょっとコンビニにね」


確かにこの先にはコンビニがあるけど……

ってか、後ろ歩いてたならすぐに話しかけてくれればよかったのに!


「というのは建前で……」


「え?」


「一度ちゃんと、話してみたかったんだ。春くんと」


そう言われ、何故か鼓動が早くなった。


「さくらの話によく出てきた春くんが、まさか彼氏になるとはね……」


俺のことを……さくらが?

「さくらから話を聞いてて、キミのこと大体は分かった。バスケが上手くて、人気者で……そして彼女のサイクルが激しい人」


「っ!!」


確かにそうだ。


俺はさくらと付き合う前は、女に対してだらしなく最低なヤツだった。


彼女なんて俺にはただのお飾りに近くて、大事にしたいとかそばにいたいとか思ったことは無かった……


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