遊び人な彼に恋しました。


クリクリした瞳に少し涙を溜めて、あたしを見るマネージャーの音色ちゃん



「あっ、すみません」


ハッとしたようにバケツをあたしから受け取った


「1人じゃ大変でしょ?あたしも手伝うよ。」


「そ、そんなっ!」



頬を少し赤らめて、首を横に振る


「いいよ。あたしも暇だからさ。」


これは本当のこと。


春と一緒に帰ると言っても、それまで何もすることないし……



「あ、あの」


「ん?」



バケツに水を溜めながら、振り替える


「ありがとうございますっ!」



パアッと明るい表情をあたしに向ける


可愛い―っ!!



屈託の無い、柔らかい笑顔に胸がキュンとした


「あ、あの、お名前聞いてもいいですか?」


あれ?そういえば言ってなかったんだ…


「矢吹さくらだよ。よろしくね」



「は、はいっ!あたしは…「音色ちゃんでしょ?さっき自己紹介の時に聞いてたよ」



「あっ//そうですよね///」


小動物みたいに、クリクリした目を動かす音色ちゃん


「あのっ、さくら先輩って呼んでもいいですか?」


「うん。いいよ」



可愛くて、素敵な女の子



そう思うけど、さっきの春の言葉が頭から離れない……



< 29 / 339 >

この作品をシェア

pagetop