遊び人な彼に恋しました。


サトシくんって確か……楢橋くんの親友の……


「おいっ、聞いてないぞ!クラス会なんて!」


「いいじゃん、いいじゃん。お前に会いたい女子も居るだろうしさ」


それはあながち嘘ではない。

楢橋くんは、女子からの人気が高かった。


「俺は帰るからな!このクラスでも無いのに、ここにいる必要はないだろ!」


「ちょっ!大和!待てって!」


カフェから出ていった楢橋くんをサトシくんが急いで追いかけていった。


「なんでサトシ、あんなに必死なんだろ?」


「だよね―。わざわざクラス会に呼ぶのも珍しいし」


そうだ。


いくら親友だからって、クラス会に呼ぶのは珍しい……


「あっ、そういえば知ってる?楢橋くんって前に他のクラスの女子と付き合ってるって噂になったじゃない?」


っ……


「そういえばそんな噂があったね。ね、さくら」


「あっ……うん」


瑞希には話してない。

楢橋くんとの昔のことを……


うぅん。話せなかったんだ……


『付き合ってる』確証がなかったから……


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