遊び人な彼に恋しました。
『恋人』でもない……
だからと言って『セフレ』とも認めたくない……
そんな気持ちが、瑞希に話すのをためらわせた。
「で?その噂がどうしたの?」
ウーロン茶を飲みながら、首を傾ける瑞希。
「あの噂、デマだったみたいだよ」
……え
「なんか、楢橋くんを好きだった女の子が流した嘘なんだって」
う……そ……
「へぇ―…モテる男は大変だね~。ね、さくら」
嘘だったの……?
手を繋いでたのも……
デートをしてたのも……
キスをしてたのも……
全部……嘘。
「さくら?」
あっ……
隣で心配そうにあたしを見る瑞希。
「どうしたの?体調悪い?」
「だ、大丈夫……」