遊び人な彼に恋しました。
「あんたさ?1年?」
「……へ?」
初対面に向かってあんたって!?
「あのね〜!……っ」
つい息を飲んだ
ブラウンのふんわりとした髪に、綺麗な顔立ち
あたしと似たような髪色なのに、完璧に彼の方が似合っている
「なぁ、聞いてる?そのリボン1年だろ?」
「へっ!?う、うんっ」
さっきの怒りはどこへやら……
素直に頷いていた
「あの、あなたも1年…だよね?」
あたしと同じ赤いネクタイが目についた
学年ごとに違う色のストライプのリボンとネクタイ
だから彼が1年だと分かった
「あぁ―…、それよりさ、俺ら完全に遅刻じゃね?」
「あ゙っ!そうだった!!」
入学式っ!!
「よしっ!走るかっ!!」
「えっ!?」
――グイッ
「きゃぁっ!!」
手首を捕まれ、そのまま走り出した