遊び人な彼に恋しました。


「あの、さくら先輩は春先輩の彼女さんなんですよね?」


「えっ///」



バケツを持って、体育館に入ったと同時に投げ掛けられた質問


唐突の質問につい頬を赤らめてしまった


「ち、違うよ―。あたしは春の女友達。」



「女友達…ですか?」



「うん……そう。」


自分で言いながらなんか悲しい気持ちになる



「そうなんですか。てっきり、仲がいいから付き合ってるのかと……」


「あぁ―よく誤解されるんだよね。」



こんなことを聞かれたのも初めてじゃなかった。


よく一緒に居るせいか『付き合ってるの?』とよく聞かれる


聞かれるだけならまだマシなんだけど……



一度だけ“お呼び出し”と言うものを受けたことがあった


あんなの漫画とかだけの世界かと思ってたのに……


それがまさか自分の身にふりかかるとは……



何発か叩かれて、もうダメかと思ったけど……



あのバカが……春が助けに来てくれた。


そして一言『俺のダチに手を出すんじゃねぇよっ!!』と叫んだ



嬉しくて、何より残酷なセリフだった……


だってそんなこと言われたら決定的じゃない。


あたしが、春の“友達”であって“彼女”にはなれないって……



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