遊び人な彼に恋しました。


「聞けよ。さくら……」


「やっ……」


「さくらっ!!」


っ゛!!


手を離され、ダークブラウンの瞳としっかり視線が合わさる。


――ドクッ


「なぁ、さくら。好きなんだよ……」


初めて見た、弱い楢橋くん。


「俺の元に戻ってきてくれ。さくら……」


ダメ……


ダメだよ……さくら。


「あ、あたしが好きなのは…「分かってる!」


「っ……」


「分かってるよ、さくら……。でも、考えちゃうんだよ……」


また強く抱きしめられる。


「あの時、俺が追いかけてたら……。さくらにちゃんと気持ちを伝えてたら……って」


ダメっ……


「そしたら俺たち……きっと……」


「やま……と」


気持ちが戻っていく。

大和をただ純粋に好きだっという気持ちに……


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